場所で探す/ローマ市内

 ローマを取り囲むアウレリアヌス城壁は、今もローマの街のあちこちに痕跡を留めています。しかし帝政前半のパクス・ロマーナの時代のローマには城壁がありませんでした。3世紀にローマ帝国の国力が弱まって異民族の侵入を許すようになり、異民族から首都ローマを守るために建設されたのがこの城壁で、いわばローマ衰退の象徴とも言えます。
 アウグストゥスが好きです。でもアウグストゥス は一般にはあまり人気がないのです。その墓であるアウグストゥス廟も観光地としては無名で、地球の歩き方でもおすすめ度を現わす星が一つもついていません。でもアウグストゥス・ファンにとってここは聖地です。
 首都ローマの超有名観光スポットでいつも行列ができている真実の口から道を挟んだ向かい側に、人もまばらな広場があります。丸と四角の二つの神殿が建つこの場所はフォルム・ボアリウムといい、共和制のころから商業の中心として賑わい続けた場所でした。
 ローマの玄関口テルミニ駅から北西に400m程のところにあるサンタ・マリア・デッリ・アンジェリ教会は、ミケランジェロが設計したもので、観光客も多く訪れる観光スポットです。これは古代ローマの浴場(テルマエ)の残骸を再利用したもの、というのもガイドブックなどに書かれています。しかしその浴場がどんなものだったのかは説明されることがほとんどなく、実は辺り一帯に浴場の名残が散らばっていることもあまり知られて
 2018年5月1日、1日でローマ市内の遺跡42個を一筆書きで歩いて巡った記録です。
 ローマの玄関口テルミニ駅の南東にあるマッジョーレ門(ポルタ・マッジョーレ)は水道橋の一部として造られたもので、上に2本の水道が通っています。しかしこの周辺を通る水道はこれだけではなく、水道が渋滞していると言ってもよいほどの混雑ぶりです。
 ナボーナ広場はごちゃごちゃと建て込んだローマの街の中心部にある長円形の広大な空間です。周囲にはレストランやカフェが並んでいて、広場に3つある噴水を眺めながら食事やお茶ができるローマ観光の定番です。ここはかつて古代ローマ時代には陸上競技場で、その形がそのまま残っているのです。
 「全ての道はローマに通じる」で有名なローマ街道のうちで一番最初に造られたのがアッピア街道です。起点のカペーナ門からチェチーラ・メテッラの墓までの4kmほどを2018年5月に実際に歩いてみたので紹介します。
 古代ローマ人はパンをパン屋で買っていました。え?当たり前ですって?でもこれ2000年前ですよ。
 ローマでポンペイウス劇場といってもガイドブックに出ているわけでもなく、知る人は少ないでしょう。  それもそのはずで、劇場の形をなしていない、どころか、跡形もないと言っていい状態です。 しかしポンペイウス劇場は歴史上とても有名な事件の舞台となったところなので、そのかすかに残る痕跡をたどると当時の人々の息遣いが聞こえるような、不思議な実感が湧いてきます。
 ローマの地下鉄B線にピラミデ Piramide という駅があります。Piramide というのはイタリア語で「ピラミッド」のことで、その名の通り駅前広場にはピラミッドが建っています。 このピラミッドが実は紀元前12年頃に作られた古代ローマの遺跡で、執政官を務めたガイウス・ケスティウス・エプロという貴族の墓なのです。
 現代のローマは7階建てくらいの建物が連なっていますが、実は2000年前のローマもこれとあまり変わらない姿をしていました。そこに建ち並んでいたのが庶民の住宅、インスラです。
「テルマエ」の代表と言っていいでしょう。でも単なる「公衆浴場」と思ったら大間違いです。そこからはローマ人の価値観を感じ取ることができます。
「街道の女王」の異名をもつこのアッピア街道の最初のマイルストーンが、今もその場所に建っています。

Posted by roma-fan